NCAAによると、メンタルヘルス(心の健康)は学生選手の身体的健康と機能的な活動に重要である一方、見過ごされがちな側面でもあると述べられています。
Brown(2014)は、成人の約5人に1人が精神的疾患を経験しており、若い成人(young adults)の間でこの割合は最も高い傾向があり、この多くが大学生と述べています。
近年では、新型コロナも学生選手のメンタルヘルスに大きな影響を与えており、NCAAが学生選手37,000人に行った「新型コロナウイルスと心身への健康に関する調査(NCAA Student-Athlete COVID-19 Well-being Study)」の結果では、半数以上の学生選手がパンデミック中に高度のストレスと不安を経験していたと述べています。
現在NCAAでは、部活動シーズン開始前に各大学で学生選手に行われるメディカルチェックにメンタルヘルスの項目も含めることを推奨しています。
また、近年の学生選手のメンタルヘルスの傾向については、NCAAが2019年に行ったSCORE調査で以下の報告がされています。
学生選手、特に女性の学生選手は、入学前から大学生活でやらなければならないことにすでに圧倒されている。
入学後も、男性の学生選手の25%と比較して、女性の学生選手の30%近くが、調査を受ける前の月で大学生活での様々な課題が溜まり処理しきれていない。
男性の学生選手は、女性の学生選手に比べて、指導者が自分のメンタルヘルスの問題について気にかけている。
男性の学生選手の62%以上が、女性の学生選手の半分未満(49%)と比較して、メンタルヘルスの問題について指導者と気軽に話し合うことができる。
女性の学生選手の37%と比較して、男性の学生選手の46%は、チームまたは大学関係者から受けたメンタルヘルスケア対応に非常に満足している。
女性の学生選手の41%と比較して、男性の学生選手の半数以上(53%)は、キャンパス内の一般学生がチームをサポートしていると感じている。
女性の学生選手の53%と比較して、男性の学生選手の61%は、キャンパス内の一般学生と頻繁に交流がある。
参考文献:
Brown GT, Hainline B, Kroshus E, Wilfert M. Mind,Body and Sport: Understanding and Supporting Student-Athlete Mental Wellness. NCAA Publications, 2014.
Mental Health Best Practices
運動選手特化した調査を国内の大学で実施しているところはあるのでしょうか。