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  • 執筆者の写真Masaru Ito

アメリカ大学学生選手の学修成績と在籍率は高い水準で推移

アメリカ大学スポーツを統括するNCAAから、学生選手の学業成績と大学在籍率に関する指標の一つ、APRの結果が発表され、成績・在籍率共に引き続き高い水準で推移していることが示されました。一方で、各大学でスポーツを統括するスポーツ局の予算規模がAPRに影響していることも示されるなど、大学間格差が引き続き課題であることも浮き彫りとなっています。


APRとは

Academic Progress Rate (APR)は、卒業率を推測する早期指標で、Division I(NCAAにはDivision IからIIIまである)に所属する大学の学生選手の部活動活動資格(※1)と在籍率を期間ごとに示したものです。点数はチーム毎に計算され、1000点満点で、930点を下回ると卒業率が5割を下回るとされているので、そのチームには罰則が科せられます(過去2年はパンデミックの影響により罰則は免除)。

算出方法

奨学金を得ている学生選手は、大学に在籍していると1ポイント、活動資格を維持すると1ポイント付与されます(合計2ポイント)。(チーム全員の取得合計ポイント)÷(取得可能な合計ポイント)x1,000=APRとなります。

例:あるアメリカンフットボールのチームには85名奨学金を受け取っている学生選手がいるとします。その内、80人の学生選手が大学に在籍し、且つ活動資格があります。3人は大学に在籍していますが、活動資格がなく(-1x3=ー3ポイント)、その他の2人は退学しました(-2x2=-4ポイント)。チームはその学期で170ポイントのうち163ポイントを獲得します。よってAPRは163÷170x1,000=959となります。


ハイライト

  • Division I 全体ではAPRは昨年から1ポイント上昇した。

  • 女子運動部でAPRが最も高かったのはスキー部で、最も低かったのはボーリング部であった。

  • 男子運動部でAPRが最も高かったのは体操部で、最も低かったのはアメリカンフットボール部であった。

  • 過去18年の間で20,000人以上の学生選手が、大学を一度中退したものの、再入学をし、学位を取得した。

  • 予算が限られている大学(※2)とそれ以外の大学との比較では、APRに17ポイントの差があることから、NCAAが引き続き、それらの大学へのサポートを充実させていくことが求められる。





参考文献


※1:学生選手は、NCAAが定める学年ごとの最低取得単位数と最低GPAを満たない場合は運動部活動資格を失う。詳しくはこちらから→ Berkely Athletic Study Center

※2:Division I大学の中で予算規模が下位15%の大学

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