アメリカ大学では、夏休みになってもキャンパスの熱気が冷めることはありません。大学では、スポーツキャンプを含む、様々なキャンプが夏期休暇期間中に行われており、大学運動部にとっても重要な期間となっています。
アメリカ大学スポーツ視点からのサマーキャンプの目的は以下が挙げられます。
1. キャンパス体験
子供や親がキャンプに参加することで、大学の施設や食堂、キャンプの内容によっては寮での宿泊など、大学にとっては、将来の学生に向けての、大学生活をイメージする機会となります。
2. 収入
アメリカ大学でスポーツを統括する組織(スポーツ局)にとっては、サマーキャンプは通常の興行収入と並んで大事な収入となっています。アメリカンフットボールなどで知られ、大学スポーツ強豪校の一つ、ウィスコンシン州立大学(University of Wisconsin)では、サマーキャンプに11,500名を超える参加があり、その収入は3億円を超えるそうです。また、学生選手や指導者にとっても、追加の収入を得る機会となっています。
3. リクルーティングの機会(※)
サマーキャンプの内容は、小さな子供から高校生まで様々です。高校生を対象としたスポーツキャンプでは、競技ごとにスキル向上を目指したキャンプが行われます。これは、大学でのスポーツ奨学金獲得を目指す高校生にとっては、大学指導者へアピールする絶好の機会となります。大学指導者にとっても、競技データだけでは分からない、学生選手の人間性を直接観察することが出来る機会となります。
※NCAAルールにはリクルーティングルールが厳格に定められているため、サマーキャンプ中には、リクルーティング活動(学生選手と指導者が奨学金等に関して直接やり取りするなど)は出来ません。
以上のように、アメリカ大学におけるサマーキャンプの役割はとても大きいのですが、パンデミックの影響は続いており、サマーキャンプの中止や事業が継続できない団体などが出ています。ユーススポーツを扱う113団体は、パンデミックによって収入が減った団体に対して「Youth Sports Relief Fund」という助成金を設立するように国に働きかけています。アメリカにおけるサマーキャンプの今後に注目です。
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