先日閉幕した東京オリンピックでもっともメダルを獲得したアメリカ代表選手の内、実に600名、全体の75%以上の選手はNCAA大学に在籍もしくは過去在籍していた選手でした。また、オリンピック・パラリンピックに出場する100以上の国の代表選手、1000名以上が同じくNCAA大学に在籍もしくは過去在籍していた選手で、オリンピックメダル獲得総数はアメリカを含め282個(金114個、銀84個、銅84個)にもなります。
ちなみにDiamond Onlineによると、日本代表も全体の7割以上が大学出身者とのことです。
THE ROAD TO TOKYO 2020 (NCAA, 8.28)
東京五輪日本代表の出身大学ランキング、3位池江璃花子の日大、2位早稲田、1位は?(Diamond Online, 2021.7.31)
このようにNCAA大学スポーツはアメリカ国内外のオリンピックスポーツに貢献していますが、パンダミックによる収入減により、運動部に充てられる予算を削る傾向が強豪大学であっても昨年から散見されるようになってきています。そして、そのあおりを真っ先に受けているのがオリンピックスポーツと呼ばれる運動部です。
2020年7月にはアメリカ大学スポーツの名門スタンフォード大学がコロナウイルスによる収入減により、2021年度から36チームの内の11チームの廃部を発表しました。名前が挙がった運動部は、フェンシング、フィールドホッケー、ボート、セーリング、スカッシュ、シンクロナイズドスイミング、バレーボール、レスリングなどです(発表後裁判が起き、のちに大学が廃部を撤回)。The Associated Pressによると、コロナウイルスの影響によりNCAA加盟大学で171のチームの廃部があるとのことです(2020年7月時点)。
Stanford says it won’t cut sports after lawsuits and pressure from athletes (Washington post, 2021.5.18)
次回は、オリンピックスポーツが廃部に直面する理由と、オリンピックスポーツ存続へのNCAAの取組を紹介します。
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