アメリカ大学スポーツ関係者が一堂に会す集まり2021 NACDA & AFFILIATES CONVENTIONに参加しました。このコンベンションのほかにNCAA Annual Conventionも有名ですが、こちらはNCAAに係る審議事項やルール改正などが議論される場です。一方、NACDA & AFFILIATES CONVENTIONは大学スポーツ統括部署(以下、体育局)の様々な専門家(マネジメント、マーケティング、アカデミック、コンプライアンス、ガバナンス、広報等)が所属する協会が共同でコンベンションを行い、最新の知見や研究などを共有する場で、毎年5000人以上集まるビックイベントです。
2021 NACDA & AFFILIATES CONVENTION総括:
2021 NACDA & AFFILIATES CONVENTIONでは、コロナ下において蓄積された体育局の新しい運営・マネジメントのほか、学生選手へテクノロジーを用いたコミュニケーション方法、ニューノーマルにおけるルール作りなど、コロナ下でなければ生まれなかった発想や連携が紹介された。
また、Name, Image and Likeness (NIL) Rights (個人のパブリシティ権利、下記参照)に代表されるように、高等教育における学生選手を取り巻く環境は激変しているなかで、学生選手をあらためて一人の学生ととらえ、高等教育の先にある人生を見据えたサポートやNILポリシーの制定について議論が交わされた。
2021 NACDA & AFFILIATES CONVENTION概要
日時:2021年7月27日~28日
場所:オンライン
参加者:未発表(通常5000人以上)
プログラム内容
レクチャー
ワークショップ
Professional Development=FD
協会部局・タスクフォース会議
展示場
参加協会(12団体)
NACDA:National Association of Collegiate Directors of Athletics (体育局長)
CABMA: College Athletic Business Management Association (マネジメント)
CEFMA: College Event and Facility Management Association (施設管理)
CoSIDA: College Sports Information Directors of America (広報)
ICLA: International College Licensing Association(ライセンス)
MOAA: Minority Opportunities Athletic Association(マイノリティー)
N4A: National Association of Academic Advisors(アカデミック)
NAAC: National Association of Athletic Compliance(コンプライアンス)
NAADD: National Association of Athletic Development Directors(開発)
NACMA: National Association of Collegiate Marketing Administrators(マーケティング)
NATYCAA: National Alliance of Two Year College Athletic Administrators(短期大学)
Senior Administrators Mentoring Institute(上級職員)
ウェブサイト:https://nacda.com/news/2020/12/16/2021-nacda-affiliates-convention-to-take-place-virtually.aspx
メインテーマ
パンデミックとニューノーマルに向けて
コロナ下における日々の体育局運用・マネジメントへの工夫や、難しかった学生選手・スタッフ同士の関与・参加(Engagement)を維持するための工夫などが多く紹介された。学生選手とスタッフの関与やコミュニケーションに関するセッションでは、テクノロジーを用いることで学生選手とのコミュニケーションが以前よりもよくなった事例などが紹介された。体育局運用面では、テクノロジーを積極的に導入することで今までできなかったカスタマイズ、改善や進捗管理などの事例が紹介された。そしてニューノーマルに向けてテクノロジーを用いた運用はイノベーションではなくスタンダードになりつつあるとのことであった。
事例:Spryをもちいた学生選手むけプラットフォーム
Name, Image and Likeness (NIL) Rights
2019年9月にカリフォルニア州で成立した法律(Fair Play to Pay Act)は、それまでNCAAによって禁止されていた学生選手個人のパブリシティ権利(名前やイメージ等)を企業が広告や製品に使用することと引き換えに、学生選手が企業から金銭を受け取ることを認めるもの法律である。この法律制定以降、NCAAはNILの取り扱いについて最高裁まで上告して争ったが、2020年6月にNCAAの主張が却下されたことで、NCAAは2021年6月にNILを認める臨時規程を発表し、2021年7月1日から学生選手はNILによって金銭を受け取れることになった。ただ、細かいルールや運用は各大学に委ねられており、各方面の専門家(エージェントや弁護士など)が体育局スタッフとポリシーや手順などを協議するセッションが多く開かれたが、全体的にまだ手探りの状態である印象であった。
NCAA Taking Action Name, Image and Likeness
DE&I(Diversity, Equity&Inclusion)
(Diversityダイバーシティは「多様性」、Equityエクイティは、「公平性」、Inclusionインクルージョンは「包括・包含」)
日々の運動部活動、体育局の労働環境や雇用プロセスにおいてDE&Iを意識的・戦略的に取り入れ・実践していく事例などが共有された。また、体育局内にポリシーを策定し、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クイアやクエスチョニング)やトランスジェンダーの学生選手がほかの学生選手と同じように活動できるための環境づくりも議論された。
外部団体・企業との連携について
外部チームがどのように集まって、体育局オペレーションの新しく魅力的なアイデアを模索し、新しい収益源を生み出すかが議論された。学内外の部門が互いに寄り添い、集合的に達成するための共通の目標を特定することにより、どのように成功を収めたかについて詳しく議論がされた。
Virginia TechとLearfield社の事例:
NASCARとAppalachian State Universityの事例
2021 NACDA & AFFILIATES CONVENTION
トピックカテゴリーとセッション数
2021 NACDA & Affiliates Virtual Conventionアジェンダ
Comments