今年の3月以降、全米のトップ大学学生選手3人の自殺があったことにより、学生選手のメンタルヘルスの課題は、より頻繁に議論されるようになりました。
概要:多くの学生選手が、大学で学生生活と部活動を両立するという事ついて、入学前にイメージできていない。学生選手の大学生活の充実には、学生選手、大学関係者や保護者が一体となってサポートをしていくことが必要。
学生選手の生活とは
「スポーツ特待生として大学でスポーツができることは、多くの人が喜んでくれたし、自分もとてもうれしかったが、大学スポーツをすることについて、何も知らないで決めてしまったと思う。(Maema Njongmeta、ウィスコンシン州立大学アメリカンフットボール選手)」
NCAAは、将来の学生選手向けに、大学スポーツに関わることや、それ以外に求められることをまとめています。例えば、シーズン中に学生選手が部活動に費やす時間は、一日平均4時間から9時間になると述べています(右図参照)。
文武両道やローモデルへのプレッシャー
スタンフォード大学女子サッカー部キャプテンで、自殺をしたKatie Meyerの母親は、「学生選手には、高いレベルで学修と部活動のバランスがもとめられ、非常に大きなプレッシャーがかかっています。加えて、完璧で、ナンバーワンになるというストレスがあります。」と述べています。
「強い選手のはずが、弱い選手として見られることへの恐怖がある。(Victoria Emma、女子テニス学生選手)」
デンバー大学スポーツパフォーマンス心理学者のトミー・フリッツェ氏は、「学生選手としての要求が高く、それらの要求を完全に満たそうとしている場合、またはこれらすべてを完全に実行しようとしている場合、それは非常に問題のある組み合わせになる可能性がある」と述べています。
部活動内外のつながりが重要
フリッツェ氏はメンタルヘルスへの解決策には下記を挙げています。
大学キャンパス内のリソースの充実では不十分で、学生選手にそこにあるリソースを利用するように説得する。
学生選手は、新しい生活を求めるあまり、家族や高校までの友人とのつながりが希薄になる傾向があるので、特に1年生にはつながりを継続させる。
部活動で苦労しているとき、部活動がメンタル的に安全な場所とならない。スポーツ以外で人とのつながりや、コンサートに行くなど、スポーツ以外で楽しむことを見つける。
参考文献:
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